巨体と優美を兼ね備えたパーフェクトドッグ

・チャームポイント

グレート・デーンの最大の特徴は、その大きくて優美なボディです。

立ち上がると人間以上にもなるサイズで、なかには体高が1mを超えてギネスブックに記載された個体もあるほどです。
それでいて体は細く筋肉質で、なめらかな短い毛には光沢があり美しさがあります。
歩く姿もゆったりと大きな歩幅で、ほかの犬にはない優雅さを感じます。

その巨体と落ちくぼんだ目や、大きなアゴから怖そうなイメージがありますが、じつは「優しい巨人」と呼ばれるほど性格はいたって温厚。
表情も豊かで、周りの空気をなごませてくれます。

飼い犬としてはすべての要素がパーフェクトなので、ギリシャ神話の太陽神になぞらえて「犬のなかのアポロン」という愛称もあります。

犬好きにとっては、まさにあこがれの犬種といってもよいでしょう。

すでに400年以上前からある犬種で、17世紀末のデンマーク王の絵にもその姿が描かれています。ドイツでは上流階級がステータスとして飼うことが流行った時期もあります。
現在ではアメリカでも人気の犬種で、超大型犬でありながら飼育頭数ランキングで上位に入ることがあるほどです。1965年には、ペンシルベニア州が州犬に指定しました。

その人気っぷりから、映画や漫画など、さまざまなフィクション作品中に愛らしいキャラクターとして登場しています。

・遊ばせ方

超大型犬なので、運動量は多くなります。毎日の散歩を欠かさず、朝夕に1時間くらい連れていってあげましょう。
とてもおとなしく、散歩のときにも相手を気遣うように歩きます。ただし、超大型犬で力は強いので、女性や子供は気をつけたほうがよいかもしれません。

運動不足になると肥満になりやすく、ストレスでトラブルを起こすこともあります。
ほかの遊びについては、一人の世界にひたりやすい傾向があるので、あまり求めることはありません。

・日常のケア・好きな食べ物

短毛種なので、気温の変化に弱い面があります。また、甘えん坊で人とつねに同じ空間にいたがるので、できるだけ室内飼育を選びましょう。
ただし、その巨体に見合ったスペースを用意してあげることが前提です。走り回るほどの広さは必要ありませんが、十分にリラックスできる面積を確保してあげましょう。

巨体なので、関節を痛めやすいです。床のすべり止めや、寝床にふわふわの毛布やクッションを用意しておいてあげましょう。
毛は短いので、手入れに手間はかかりません。ただし、体の面積が大きいので、時間をかけて丁寧にしてあげてください。週に一回くらいのブラッシングと、
汚れがあるときはしぼった濡れタオルで拭いてあげれば十分でしょう。

超大型犬なのでよく食べるように思われますが、それほど食欲旺盛ではありません。むしろ、小型犬とくらべると体重あたりのコストはかなり低くなるでしょう。

胃捻転を起こしやすいので、水でふやかしてあげるとよいです。食後はかならずしばらく休ませて、それから散歩など運動をさせるようにしてください。

・しつけで配慮すべきこと

とにかくおとなしく優しい性格なので、しつけやトレーニングもしやすい犬種です。
ほかの動物や子供、知らない人に対しても攻撃的になることはまずありません。

ただし、子犬のころは運動量が激しくやんちゃなので、しっかりしつけをしておく必要があります。ここで失敗すると、成長してからでは手がつけられなくなってしまいます。

また、なるべく家族といっしょに過ごす時間を増やすことで、よりコミュニケーションの上手な犬になります。

・気をつけたい病気・対処方法

グレート・デーンは、その頑丈そうな見た目からは想像がつかないほど、病気にかかりやすい犬です。
特に気をつけなければいけないのが、胃捻転です。一度なってしまったら、手術を行うしかありません。症状が出たときには、すぐに獣医につれていってください。
発症からわずか数時間で死んでしまうこともあるので、スピードが重要です。

大食いや早食いは絶対させないようにして、食後はしばらく休ませ、異常がないかよく観察してください。急に食事を残すようなことがあれば要注意です。
それ以外にかかりやすいのが、肥大性骨関節症です。特に、生後4~8ヶ月のオスに発症しやすい病気です。痛みや熱で歩けないこともありますが、治療法は今のところ見つかっていません。

ほかにも、遺伝性疾患で視覚障害や聴覚障害などにもなりやすい面があります。目や耳の周りの毛が白いときにはその可能性が高いので気をつけてください。
また、気をつけないといけないのが、グレート・デーンはそのサイズから、救急車に乗せられないケースがあることです。病院によっては、受け入れ自体を断られることもあります。

いざというときのために、普段から診てくれそうな獣医をチェックしておくことも重要です。胃捻転については、予防の手術を受けることもできます。

グレート・デーンは、わずか10年足らずで死んでしまうことがほとんどです。治療費がほかの犬よりも多くなるので、飼う前にそのことはよく考えておきましょう。ペット保険などを利用するのもひとつの手です。